チキン彼氏を救出せよ!!
「ねー莉子、
知ってる?この高校の噂。」
麻耶はあたしを教室の席に座らせると目をキラキラさせながら言った。
「イケメンが多いってやつ?」
「あ、それもそうなんだけど、他にもあるんだよー!!」
なぬぅ!?
あたしは興味津津に麻耶の言うことに耳を傾ける。
「実はさー…私のお姉ちゃんが八重坂出身なんだけどね?
5月にある体育祭で、ダンスっていう種目があるんだけど…
そこで男女で踊るダンスがあって、それを踊った男女は……」
そこで麻耶は一呼吸置いた。
あたしはゴクリと生唾を飲んだ。
「…100%、付き合うんだって!!」
うそーーーーーーーん!?
「なにそれっ!?
それはやらなきゃじゃん!!」
あたしは興奮しながら机をバシバシ叩く。
「でしょでしょ!!
だからさ、体育祭の種目決めのとき、ダンスにしない?」
「するするっ!!
絶っっっ対!!」
あたしは満面の笑みで言った。
すると麻耶は、
「この食いつきっぷりは……。
もしや、彼氏出来たことない?」
ニヤッとしながらそう言った。
「ありませんが、なにか?」
あたしは開き直ってそう言ってやった。
「安心して。
私もよ。」
麻耶の一言であたしと麻耶は顔を見合わせ、笑った。