チキン彼氏を救出せよ!!
それからはただ平凡に半年すぎた。
坂城は陰口を言われなくなっていた…。
と思っていた。
…あの日まで…。
「渡部弘隆。」
教室の席に座っていると目の前には、始業式のときに声を掛けてきた一際目立つ男がいた。
「あぁ…。
宮間か。」
彼の名前は、宮間 凪(ミヤマ ナギ)ということを後日知った。
宮間が話しかけてくるのは始業式ぶりだった。
「なぁ…。
そろそろ、考えたか?」
宮間はなんとも言えないような表情をしていた。
仲間にならないか…か。
「俺は…お前達の仲間にはなれないよ。」
そう言うと、宮間はふっと笑った。
「そーゆーと思った。
でも、それは駄目なんだよ。」
「えっ…?」
宮間は俺の手を強引に引っ張り、廊下へと連れ出した。
「おい、宮間っ…」
「お前、気付かない?
小田切と、坂城のこと。」
「え…?」
俺は、なんのことだか全くわからなかった。
でも…。
なんとなく、
なんとなくではあるけど、
嫌な予感がしたんだ。