チキン彼氏を救出せよ!!


「…俺、小田切が女子引き連れて、坂城を呼び出してんの、見たんだ。」


宮間は少しため息をついてそう言った。


「俺、始業式のときお前が小田切につっかかったの見たよ。
お前はあれで小田切を止められたとか思ってんの?
お前、小田切を甘く見すぎなんだよ。」


強い口調で言う宮間に、俺はなにも言えなかった。


俺は…
確かに、女子をなめていた。


「…宮間。
小田切達は?」


「屋上。
あ…待て、俺も一緒に行く。」


俺は小走りで屋上に向かう。
すぐ後ろでは宮間が一緒に走っていた。


「なぁ、宮間?」


「なんだよ?」


「お前さぁ、なんであのグループにいんの?
お前は、そう見えねぇのに。」


すると宮間はクスッと小さく笑った。


「人を見掛けで判断すると損するよ。」

そう言った宮間の表情は、今までの宮間ではなかった。

「…なんか、今のでわかった。」


「そっか。」


そう言って宮間はまたクスッと笑う。


「…なんだよ。」


「渡部もこっちにくれば、きっとこうなるよ。」


「そんなん、死んでもごめんだ。」


俺は苦々しい顔をしてそう言ってやった。


「うーん…だからこそ、仲間になって欲しいんだけどな。」


なんて宮間が言ってる間に、屋上へと続く扉の前にたどり着いた。



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