チキン彼氏を救出せよ!!


扉に耳をくっつけると、微かに女子の怒鳴り声と笑い声が聞こえてきた。


「………だよ!
この…が!」


「早く……しろよ!」


「なにやってんだ?
あいつら…。」


俺は宮間に向かってボソッと呟く。


その次の瞬間だった。


「早く、そっから降りろよ、坂城ぃ!」


ヒステリックに叫ぶその声は小田切のものだった。


俺と宮間は急いで扉をあけ、なかに入った。


「やめろ!」


俺の声を聞き、女子達が振り返る。


円になった女子達に、フェンスまで追い詰められている坂城…。


小田切は、俺と宮間を見るとフンと鼻で笑った。


「救世主のお出ましね。
ヒーロー気取りもほどほどにしろよ、渡部。」


「なっ…。」


俺が小田切のほうに向かおうとすると、宮間に腕を掴まれた。


「待てよ。」


「あ?
おい、宮間、離せよ!」


イライラして腕をふり宮間の手をふり払おうとする。

でも宮間はびくともしない。


坂城といいコイツといい力つえーよ…。


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