チキン彼氏を救出せよ!!
「し…白石…くん。」
あたしがチラッと神田くんをみると、神田くんは必死に手を合わせてる。
……………
こうなったら女の武器を使うしかないわ…
「お…
怒んないでね?」
そう言って白石くんを見るあたし。
上目遣いで、しかもウルウルした瞳。
これに落ちない男はいないのよ。
あ、蒔田を除いたらね。
え?
計算高い?
やだやだ、
計算じゃなくて、自然よ、し・ぜ・ん。
「…白石くんの、携帯…壊しちゃったの……。
ごめんなさい…。」
あたしは心底反省しているかのように目を伏せる。
…神田…
後で覚えてろよ…。
とか思ってるように見えないようにね。
「…南野さん。
それ、俺の携帯じゃない。」
しばらく黙っていた白石くんが言ったのがこれ。
…………ん?
なにそれ?
「…どういうこと?」
あたしが聞くと、白石くんは首を傾げた。
「俺、携帯持ってるし。」
と言って携帯を見せる。
………て、ことは?
なんだ?
「……これ、
誰の?」
若干焦げた跡のついた携帯を持ち上げる。
…………新たな問題、発生。