チキン彼氏を救出せよ!!
「……もしかしたら……………
渡部さんの携帯かも……。」
白石くんが真っ青な顔をしてそう言った。
…………ま、
まじかぁぁああい!!
「や…やばくない!?
渡部さんのって、やばくないか!?
ねぇ!!」
「やばいよ、やばいって!
まじ、どうすればいーわけ!?」
あたしと白石くん、大パニック。
「渡部…
あ、渡部弘隆?」
麻耶が呑気に聞いてくる。
「そうだよぉ!!
あの、恐い渡部さ」
「誰が恐いんですかね?」
突然割り込んできた声は、物凄く聞き覚えがあった。
ので、振り返れないあたし。
………やつだ。
やつが背後にいる。
振り返るな。
振り返るなあたしぃい!!
「あ、渡部!!」
神田くんがヘラヘラ笑いながら渡部くんに話し掛ける。
麻耶もニコニコして渡部くんを見てる。
……白石くんは……。
あたしと同じく、振り返れないまま、硬直。
………ピンチ。
あたしと白石くん、ピンチだよ。