チキン彼氏を救出せよ!!


「なぁ渡部!!
これ、お前の携帯?」


神田くんがなんでもないかのように焦げた携帯を指差す。


………
お願いだから、違うと言ってくれ渡部さん。


「………俺の、ですね。
でも…あれ?
なんで焦げた跡があるんでしょう?」


そう言ってチラッとあたしと白石くんを見た(ような気がする)渡部くん。


「ち…違います!!
それは…神田くんが…」


「そ…そうそう!!
俺と南野さんは関係な」


「…少し静かにしてくれませんかね?」


渡部くんの言葉に硬直するあたしたち。


…これ、事実なんですけどー!!
なんか罪擦り付けられてないかあたしたち!!


と、思ったその時、

「わ…渡部?
ごめんな、俺の電流コードが、接触しちゃってさぁ…。」


と、神田くんが自首してくれたので一安心…。


と思いきや。


「あ、そうでしたか。
じゃあ、この2人は無意味に俺の悪口を言っていたんですね。

ちょっと来てくれますか。」


そう言って満面の笑みを浮かべる渡部くんに強引に手を引かれるあたしと白石くん……。


………やばい…。
やばいよ…。

あたしたち…。
殺されるー!!



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