チキン彼氏を救出せよ!!
「…メアド交換しましたけど…あとはなにすればいいのでしょうか?」
あたしが渡部くんに聞くと、渡部くんはニヤッと笑った。
…………ん?
な……なに?
その、不敵な笑みは?
「……俺、お前らが付き合ってるっつーの、知ってるんだけどさ。
なんつーの、ほら、お前らあんまり一緒にいないじゃん?」
渡部くんは急に優しい声色で話しかけてくる。
……たしかに、渡部くんの言うとうり、あまり…
……いや、まったく話さないけど。
そんでもってメアドも知らないけど。
なにか問題ありますか。
とか心の中で反抗してみちゃうあたし。
「…だから、俺はね、お前らの仲の良さをみたいわけ。」
…………なんだ?
なにを言う気だ?
どうでもいいけど、次第にニヤニヤし始める渡部くんが心底怖いです。
「つーわけで…俺同伴のデートをしてもらう。」
デ……
「「デートぉおおぉ!?(しかも渡部さん付きのぉお!?)」」
あらやだハモっちゃったよ!!
しかも心の声まで!!
なんだかんだ以心伝心仲良しこよしなのよ、あたしたちカップルは。
「…行かなかったら携帯弁償ね。」
渡部くんが満面の笑みでそう言った。
…まじ、怖い。
「行きます…。」
超しぶしぶ頷くあたしと白石くん。
…ってゆーか、渡部くんいる時点でデートじゃない気がするけど…
大丈夫か?