チキン彼氏を救出せよ!!
「み…南野…しゃん。」
ふらふらしながらも立ち上がる白石くんを見て、込み上げてた笑いが一気に消えた。
「……白石くん…
ごめん!
あたしがハイテンションだったばっかりに…。」
ハイテンションだからって彼氏引きずりまわして替え歌熱唱する人なんぞ、あたしぐらいしかいないけどね。
まじ、あたし、どんだけーみたいな。
「…そうじゃ…なふて…ね」
白石くんはゲートのほうを指差す。
そこには先ほどのおばさんがなにやら動物園の案内人ともめていた。
「……?
あのおばさん、なにしてるの?」
「多分…俺のチケットで…入る……つもり…なんだ。
さっき、盗られた…んだよ。」
白石くんは地面に手をついて気持ち悪そうにしてた。
…あ、
あんのチキンばばぁーー!!
あたしは猛ダッシュでゲートに向かった。