チキン彼氏を救出せよ!!
「…チケットは奪い返したので…。」
しばらく呆然としていた案内人が我にかえってそう言った。
「あ、あぁ…
ありがとうございます。」
あたしも呆然としていたので我にかえって礼を言った。
チケットでこんな壮大なことになるとは…。
あたしはとぼとぼと白石くんのところまで戻る。
「ハイ。」
「あ…ありがとう。」
白石くんは具合が良くなったらしく、立ってあたしに礼を言った。
「じゃ、行こっか。」
「ウン。」
初デートなのに、この盛り下がりっぷり…。
なんとなく気まずいまま園内に入る。
その時だった。
「あ、
白石くん。」
その声を聞いて前を見ると、
そこには知らない女の子。
……なんか、髪とかふわふわしてて、可愛いーんですけど。
とかちょっと嫉妬みたいなことをしてみる。
「あ……広瀬。」
白石くんは少しだけ顔をほころばせる。
…なんで?
…あたしといてもこんな顔しないのに。
なんか…胸が痛い。