コスモスの記憶
「……今から俺が言うことはすぐに忘れて欲しい。」
「えっ………?」
「いいから………。な?」
「…………、うん、わかった。」
そうでも言わなければ教えてもらえないと思った秋桜は返事をした。
一方の直月は、これまでのことが走馬灯のように頭をよぎっていた。
そのどれもに秋桜の笑顔があった。
「俺はこれから行く所で死ぬ可能性の方が高いだろう。こんな事を言ってもいい逃げにしかならないかもしれないが、言わせて欲しい。」
「何を………?」
「俺はお前に心底惚れている。
昔からずっと。今も………。
お前が、好きだ。」