コスモスの記憶
「あぁ、また呼ばれちゃった………。」
「はは、母さん朝から相変わらず元気なのな。」
「薫ちゃんはご飯食べないの?」
「あぁ、俺は眠いから一眠りするわ。後で紫との約束もあるし。」
母の声を聞いて、薫は大きく口を開けて欠伸しながらアオに答えた。
「そっか。じゃぁあたしはご飯食べてくるね。」
「おぅっ!!おやすみ~。」
アオの頭をぽんぽんとなでると、薫は自分の部屋に帰っていった。
(いいなぁ~、薫ちゃんには大事に思える人がいて……。あたしなんて恋とか無縁な人間だもんなぁ~っ。)
なでられた頭を触りながら、アオは階段を降りていった。
(あたしにもいつか大事に思える人が現れるのかなぁ~っ。)
ぼーっとそんなことを考えながらリビングの扉の前までやってきた。