コスモスの記憶
日課
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「いってきまぁ~すっ!!」
朝食を終えたアオは、玄関の扉を開け外へ出た。
天気は快晴で、空は雲がなく、太陽がさんさんと照りつけていた。
「今日もいい天気だなぁ~っ。」
いつもの道を歩きながら、アオはつぶやいた。
道には同じ制服に身を包む高校生や、犬の散歩をしている人、塀の上では野良猫が鳴いている。
「今日も平和な1日だなぁ~っ。」
「なぁに年寄りみたいな事言ってるんだよ。」
のんきに呟いていたアオは、後ろから聞こえてきたその声に振り返った。
「なんだ、夜一(よいち)かぁ。」
「なんだとはなんだよ、アオ。」
「だって、こんな朗らかな朝にまさか、あんたと最初に鉢合わせるとは思ってなかったからさ。」
「ひどい言い様だな、たく。」
そんな会話をしながら、夜一と呼ばれた少年はアオの隣に来た。
夜一は、少し長めの髪で前髪はシンメトリーになっている。染めた訳ではない髪の毛は日に焼けて少し茶色くなっている。細い眉にきりっとした目で、かっこいい部類に入る夜一は身長も高く、女の子にももてる。
(世の中不公平よね。なんで私の周りは顔がいい人ばっかいるんだか。本人には、絶対言わないけど。)
心の中でこっそり呟くアオだった。