コスモスの記憶

そんな妬みなような事を言うアオだが、アオも俗に言う美少女だ。
身長は150cmと小柄ながらも、大きな二重の目に小さな鼻。ぷっくりした唇に髪はまっすぐのストレートで、長さは腰の辺りまである。
本人はいたって目立とうとはしないものの、性格も人当たりもよいので、男の子からも女の子からも人気がある。
そんな彼女をみんな、愛称も込めて、カタカナの”アオ”と呼ぶ。



「夜一がこんな時間にこの道にいるのも珍しいよね。朝練は?」

「今日は、休みだったんだよ。この間、試合があったからな。キャプテンの粋なはからいってやつだな。」

「ふぅん、そっか。
でも、こうやって一緒に歩くのってなんか久しぶりだよね。」

「そうか?」

「あんたがサッカー少年になってから全然一緒に行くことなんてなかったからさ。」

「そういえばそうだったかなぁ~っ。昔は嫌ってほど一緒につるんでたのにな。」


夜一の言葉に「確かに」と言いながらアオは微笑んだ。


2人の家は近くて、学校のクラスや地区行事でもたびたび一緒になることが多かったので、ほぼ幼馴染と言っても過言ではない。


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