コスモスの記憶
夜一を追いかけていたアオは、ふと足を止めた。数メートル先を歩いていた夜一はそんなアオに気づき足を止めて振り返った。
「どうしたぁー?アオ。」
「ううん、夜一先に学校行っててよ。あたしも後から行くからさ。」
「はぁ?なんでだよ。」
アオの言葉を聴いて、夜一は不機嫌そうに聞き返した。
「あたし、ちょっと寄り道していくからさ。遅刻しちゃうかもだから先に行っていいって意味だよ。」
そう言いながら、アオは正面を向いていた顔を横に向けた。それを追う様に、夜一もアオの視線の先を見た。
「あっ、ひょっとしてあれか?」
「そっ。毎日見に行ってるから、今日も行かないと。」
2人の視線の先には小さな公園。その公園の遊具は小さいものばかりで、その奥には大きな木が根をはっている。
そして、その下には小さな花壇があり、花を咲かしている。