コスモスの記憶
「あれ?」
花壇の方に行くと、そこには夜一がいた。
「夜一、先学校行ったんじゃないの?」
疑問に思ったアオは、夜一に聞いた。
「久々だったからな。俺も見たかったんだよ。
それにお前が走って遅刻しないんだったら、俺は全然余裕で遅刻なんてしないだろうし。」
「何かあたしに対してちょっと失礼な発言じゃない?それ。」
「あはは。サッカー部のエースが足の速さで帰宅部のお前に負けるわけないだろ?」
「むぅ~っ。そんなのわかんないじゃんか。」
自信満々に言う夜一にアオは少し頬を膨らめて言った。
「ははっ。そんな膨れた面すんなよ。」
「ぶふぅっ!!!」
頬を膨らましたアオの頬を夜一は片手で抑えたため、アオは変な声を出してしまった。
「はははっ、変な声出すなよな!!」
「うぅ~~~!!夜一がしたんでしょう!?」
体を九の字に曲げて笑う夜一にアオは顔を少し赤らめて怒る。
「はははっ。
本当おかしいのな、お前。
まぁ、ここに来たいってのもあったけど、もう一個ここに来たかった理由があったんだよ。」
「えぇ?何で。」
目に涙を浮かべるほど笑った夜一は、目じりを手で少し押さえながらアオに言った。