コスモスの記憶
「さっきお前も言ってたろ?
”一緒に歩くのなんか久しぶり”だって。
それ聞いたから…さ、なんとなく、今日は一緒に学校行きたかったんだよ。」
そう言う夜一の顔が少し赤かったことに、アオは気づいていなかった。
「そっか。
そうだよね?久々だし、このアオ様が一緒に学校に行ってしんぜよう!!」
「はんっ!!
変な口調になってんじゃねぇよっ!!」
「ふふふ。
気にするな気にするな。さっ、早いとこ水上げちゃおう。」
そういったアオの顔は満面の笑顔だった。
「……お、おぅっ//」
アオの満面の笑顔を見た夜一は、一緒に花壇の花に水遣りを始めた。
花壇に咲くのは、コスモスの花。
今の季節は秋。色とりどりのコスモスが、風に揺れて咲き誇っていた。