コスモスの記憶

「あき……、お前は、けが人の治療が終わったらすぐに遠くへ…、安全な所へ逃げるんだ。」

「……何を言ってるんだ!!私はここで、全員の治療をしてお前を待つ!!」

「駄目だ……。」

「―――っなお!!」

「お前には…、幸せになって欲しいんだ!!」


声を荒げた直月にびっくりした秋桜は言葉を呑み黙り込んだ。


「俺にはお前を幸せにできるだけの度量もない。
でも、お前には幸せになってほしいんだ。
俺は、俺は…………………。」


そこまで言って直月は一度目を堅く閉じ俯いた後、意を決したように言葉を発した。


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