スキで溢れさせて
「名字に“瀬”がつく好だろ。呼び捨てにしろよ」




Oh Nooooooooo!!!!!



あたしも川“瀬”でした!!



初めて名字が川瀬の父と結婚した母を恨んだ。




「梨帆…」




偽王子様的スマイルはあたしど名前を呼ばないで!!



あたしの名前が汚れる!!




その意志とは真逆に心臓は高鳴った。




「ほら、言えよ」





顎を掴まれていて村瀬と目線を合わせられる。




村瀬のドアップと少女マンガみたいなシチュエーションに体温が上昇した。




まるで魔法にかけられたみたいに自然と言葉が出てきた。




「綺…壱…」


「俺の名前は?」


「昴…」




よくできました〜と頭を撫でられた。




コイツらは不良、コイツらは不良…




乱れた髪を手櫛で直しながら奴らを見る。




してやったり顔が鼻についた。



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