繋がれた天使〜Siori and Mitsuki〜
忍び寄る、影
どの位の時間が経ったんだろう。
栞がゆっくりと瞼を開ける。
そして、焦点の定まらない視線を右に左に泳がす。
また目を閉じ、再びゆっくりと目を開ける。
「栞っ!?大丈夫かっ!?」
思わす掛けた声に、栞が俺に視線を移す。
「栞?」
無言でこちらを見つめる栞。
「あ…の…」
栞が、かすれた声で俺に話し掛けた。