繋がれた天使〜Siori and Mitsuki〜
栞からメールが届いたのは、
もう俺が栞の街に着こうかという時だった。
信号待ちの合間に携帯を開く。
《件名:こっち向かってるの?》
《さっき電話したら圏外だったよ
県境の峠辺り走ってるの?
あのね、言う程怒ってないから
無理して来なくて大丈夫だよ。
それに私、今日仕事で遅いし、
明日は予定入ってるから
会う時間無いと思うし…》
それから何分もしないうちに、
今度は電話が掛かってきた。
「もしもし?」
「あ…あたし…」
「俺!…ごめん、俺…」
俺は片手でハンドルを操作し、
コンビニの駐車場に車を入れた。