繋がれた天使〜Siori and Mitsuki〜


――急遽取ったビジネスホテルの
殺風景な部屋で、
俺は観る気もないテレビを
つけっぱなしにして
ぼんやりしていた。



午後11:30…栞からの連絡は
まだない。


俺…何してんだ…。



会えるかどうかわからない女の為
何時間もかけて車走らせて、
来るかどうかわからない
連絡待って…。



だいたい、
電話でちょっと怒らせただけじゃないかよ…。


それを俺は何必死こいてんだ?


でも…こんなに女の為に
必死になったのは、
美保の時以来かもな…。



今度は…美保の時みたいにヘマしたくないんだ。


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