繋がれた天使〜Siori and Mitsuki〜
教え子
午後3時までは
だいぶ時間があるな…。
それまでどう時間を潰そうかと
考えを巡らせ、
ふと一人の少女を思い出した。
浅野利穂(あさのりほ)。
俺の最初の教え子の一人だ。
確かもう高校生になってるはず。
小学生の時に、難しい病気にかかり、
たぶん人より長くは生きられない
…と思う。
…利穂ん家、花水木の近くだったよな…。
元気にしてるかな。
ちょっと顔見に行くか…。
俺は携帯を取り出し、
登録してある利穂の自宅の
携帯ナンバーを呼び出した。
トゥルルル…トゥルルル…
「はい、浅野です。」
数回のコールののち、
聞き覚えのある声の女性が
電話に出た。
利穂のお母さんだった。