繋がれた天使〜Siori and Mitsuki〜
「お久しぶりです。木下です。
大山小学校で利穂さんの…」
「…ああ!木下先生!
お久しぶりですぅ!」
利穂が入院していた頃、たびたび見舞いに行っていた事もあって、
お母さんはすぐに分かってくれたようだ。
「今、近くまで来てるんですが、
お伺いしてもよろしいでしょうか?」
「はい、どうぞどうぞ!
散らかってますけど、
今、利穂もいますし…」
早速訪ねると、利穂のお母さんは
笑顔で迎えてくれた。
応接間に通され、少し待っていると、パタパタと階段を降りる音が聞こえてきた。
「わぁ!先生っ!久しぶりー!」
久しぶりに会った利穂は、随分大人っぽくなっていた。
あんなにちっこかったのに、
背も高くなって――。