繋がれた天使〜Siori and Mitsuki〜
俺は行くあてもなく車を走らせ、白くてでっかい鳥の形をしたスタジアムの駐車場に車を入れた。
今日は何の試合もイベントも無いらしくて、駐車場はガランとしている。
ところどころにポツンポツンと距離を置いて、カップルの乗った車が数台停まっているだけだ。
その一角に車を停め、俺は栞のほうに向き直した。
「金曜はホントにごめん!
怒らすつもりはなかったんだ。
うちに着いて気が抜けたら 急に眠気がきちゃってさ…。
ホンットにごめんっ!」
もう、平謝りだ。
「…こっちこそごめん。
わざわざ来させたみたいになっちゃって。」
バツが悪そうに、そう言う栞。
「それはいいんだよ。
俺が勝手に来ただけだから。」
「――ていうかさ…光基…
あたしのメール、
ちゃんと最後まで読んだ?」
「――??
読んだつもり…だけど。」
俺は慌てて携帯を取り出し、栞からのメールを確認した。