繋がれた天使〜Siori and Mitsuki〜
「お疲れ。」
「お待たせぇ♪」
語尾にハートの付いたような
栞の『お待たせぇ♪』に、
あらためて、俺ら付き合ってるんだよなって、
まるで中学生の初恋みたいに思った。
うきうきしてそんな事を考える自分に照れ臭くなったり。
暫く新町を歩いたあと、パスタが食べたいという栞のリクエストに応え、近くのパスタ屋へ。
美味しそうにカルボナーラを頬張る栞。
細っこいわりに、よく食うのな。
チマチマとしか食わない女は嫌いだから、全然構わないんだけどさ。
カルボナーラにサラダ、デザートのシャーベットを平らげた栞は、さっき抱えてた包みを俺に差し出した。
「これ、あげる。」
包みから出てきたのは、一冊の絵本だった。