天☆地戦争
町外れまで駆け抜けていったため、少年どいえど、さすがに息があがっていた。肩で呼吸を整えながら、少年はその場にしゃがみこんだ。
あぁ〜…ダメだ…。どこに行っても真っ暗だ…。
うなだれたまま、じっとしていると、徐々に鼓動のリズムが落ち着いてきた。
…城に戻ろう…。
少年が立ち上がろうとして肩膝をついた時、闇の中から聞き覚えのあるメロディーが微かに聞こえてきた。
「『ゆ〜らゆらり・赤い木の実が揺らめく…♪
罪が恐いか…神が恐いか…♪
さぁ・染めよう…白いバラを…♪
赤く… 赤く…♪
たった一輪・真っ赤なバラを胸に刺そう…♪
深く… 深く…♪
さぁ・祝杯を挙げよう…♪真っ赤なワインを口に注げ…♪
ほぅら・くるりと天地が回った…♪』」
歌い終わると、闇の中から漆黒の髪を垂らして、美しい女性が姿を現した。
「おやぁ〜…坊や…。こんなところで何をしてるんだぃ?」
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