天☆地戦争
《…だが、メドゥーサが子供を生むことは、天網にあらず!!
ましてや、メドゥーサがエデンに存在してることなど、言語道断である!!》
神の声が荒々しくなった。
それと同時に天候が一変し、さっきまで青々としてた空が雷雲に覆われ、宙で弾きあっている。
イヴは恐ろしくなり、後退りをした。
《イヴよ!!お主の天網は、メドゥーサによって狂わされたである!
本来ならば、お主がアダムと子をつくり、幸せに暮らしていたものを…。》
イヴは愕然とした。

(アタシが…アダムと?)

《イヴよ…。お主の幸せは、メドゥーサによって狂わされたのである!嗚呼!!可哀想なイヴ!!》
イヴはその場に力なく座り込んだ。

(メドゥーサがいなかったら、アタシは淋しい思いをしなくてすんだ…。メドゥーサがいなかったら、アタシはアダムと幸せになれた…)

《しかし、案ずるな。お主の幸せは、私が取り戻してやろう。》
イヴは、顔だけあげた。
『どうやって?』

《全てを元に戻すのだ!エデンの在りし姿に!!
メドゥーサとその子がいない世界に!!》

イヴは片膝をついて、ゆっくりと立ち上がった。
『全てを…元の姿に…。』
《そうだ!!さぁ、イヴよ!行け!!我が可愛い子羊よ!!
メドゥーサを消すのだ!そして、私にメドゥーサの子を捧げよ!
さすれば、お主の幸せは戻ってくる!!行け!!》
天が笑っているような感じがした。
しかし、イヴはそれを気にせずに、まっすぐメドゥーサのもとに向かった。

イヴが大樹から去ると、さっきまでの雷雲がどこともなく消え去り、再び青空が顔をだした…。
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