天☆地戦争

アダムの視線の先には、恐ろしい程冷たい目をしたイヴの姿があった。
イヴの瞳はじっとガイアを睨み付けていた。
「い…いやいや。何怒ってんの？オマエ…。」
頬を嫌な汗がつたう。
イヴはにっこりと笑みを浮かべると、アダムに歩み寄りはじめた。
一歩踏み出す毎に、イヴの足元から黒い霧が染み出てくる。
染み出た霧は、イヴの体を包み込む。
3歩歩いた頃には、イヴの体は完全に霧に覆われていた。
4歩めには、イヴは霧から抜け出て、アダムの目の前に姿を表した。
しかし、覆われる前とはまた違う形をとっていた。
手足はすらりと伸び、赤毛の髪も腰まで伸びていた。
小さかった顔は、すっかり大人びていた。
「嘘…だろ…？オマエ…イヴ？」
アダムは思わず後退った。
不適な笑みが2人に向けられる。
「イヴだよぉ。にぃ〜にぃ♪」
その笑みがあまりに作られすぎて、逆に不気味に感じた。
「なんで…でかいワケ？」
アダムは引きつった笑みを浮かべながら、言葉をもらした。
「ふふっ♪びっくりしたぁ？コレがウチの本来の姿っちゃ♪」
「本…来？」
意味が分からず、アダムは頭を掻いた。
「アタシは“イヴ”。神によって創られた第一の人類。」