天☆地戦争
少女は涙を堪え、崖の上に立った。背には白いマントをまとった戦士数名が控えていた。少女は、眼下に広がる草原に目を向けた。緑の草原は、真っ赤な鮮血によって染められつつあった。
「お婆様…。」
ぽつりと一言口から零れた。少女は、今にも飛び出していきたくなる衝動を必死に抑えていた。体が小刻みに震える。
…どうしてこんなに苦しい戦いをしなきゃいけないの??どうしてお婆様が苦しまなくちゃいけないの??
少女は、悲痛な顔をのぞかせたが、誰にも気付かれまいとじっと眼下を見つめ続けた。
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