天☆地戦争
2人の視線の先には、木々に覆い隠された小さな建物があった。
それは真っ白い壁肌で、6本の柱が装飾の施された屋根を持ち上げていた。
まるでパルテノン神殿を思わせるその建物は、そこだけ時間が止まっているように見えた。

「この建物…。俺は…知っているような気がする…。これは…」
「楽園…。」
ガイアが言葉をこぼした。アダムは隣に立っているガイアを見下ろした。
「間違いあらへん…。ココはエデンの園で、『楽園』があった場所…。」
ガイアがアダムを見上げる。
その瞳にどこか淋しさを感じた。
「アダムはんのご先祖様が住んではった場所や…。」
アダムの瞳が大きく開かれる。

ここがエデンの園…。
そして…初代アダムとイヴが住んでた『楽園』…。

「…？…おい。」
アダムは、眉をひそめた。
アダムの声にガイアが振り向く。
「お前…何でそのｺﾄ知ってんの？」
ガイアは、微かに笑いをこぼすと、フワリと舞うように建物に近づき、中にある真っ白い石の机の上に舞い降りた。
「何でてぇ…ウチはな、先代の化身やぁ。」

眉をひそめたアダムの顔を見て、ガイアは嬉しそうに微笑んだ。
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表紙・目次

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