天☆地戦争
辺りはすっかり日が落ち、闇が戦場を覆いつくしていた。
点々とした燭台の明かりが微かに地面を照らしていた。
集会場では、4人の重臣がランタンの明かりに照らされ、顔を突き合わせていた。
「さて、おぬしらも知っての通りアダム様はあの爆破によって姿を眩まされた…。じゃが、望みはまだある…。」
ヴォルテールの低い擦れ声が暗やみに響いた。
「爆破の弾みで空いたあの大穴…。
アダム様が生きておられるとしたら、あそこじゃ。そして、おそらく…」
「ノアが生きているとしても、あそこにいる…ということですね?」
アルマーニが代弁する。
「そうじゃ。」
ヴォルテールがアルマーニの方をみて頷くと、アルマーニは軽く会釈した。
「おぃおい!だったらこんな辺鄙な会議開いてねぇで、さっさと出動命令だせよ!!」
痺れを切らしたバルバロッサが声を張り上げる。
それを横目にロイがため息をもらした。
「馬鹿バカ…。ンな暗がりで兵を出すわきゃいかねぇっしょ?危なっかしくて、無駄死になんてさせらんねぇって。」
バルバロッサは舌打ちをすると懐から煙管を取出し、口にくわえて吹かしはじめた。
ヴォルテールは3人を眺め回した。
そして、杖の先を地面に叩きつけると、甲高い音が部屋中に響き渡った。
3人の注目がヴォルテールに集中する。
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