天☆地戦争
「先代の…ねぇ〜…。」
そう呟くと、メドゥーサはノアを覗き込むようにしゃがんだ。
あまりに近かったので、ノアは思わず仰け反った。
「な…何よ…。」
メドゥーサは、まじまじと木箱を見つめてる。

メドゥーサが何をするのでもなく、ただ見てるだけだったので、その間、ノアはこれまでの経緯を振り返っていた。
なぜ、メドゥーサといるのか…。ここはどこなのか…。
ようやく、頭の整理がついた所でゆっくりと顔を上げた。
「この箱がどうかしたの?」
落ち着きを取り戻したノアは、静かにメドゥーサに問い掛けた。
その言葉に反応したメドゥーサは、パッと顔を上げた。
その顔はどこか幼く、無垢な印象を憶えた。
「なぁ、中に何入ってんの?」
さらに無邪気な発言がとんできた。
「さぁ…?アタシも知らないのよ。鍵がないらしくて開かないの。」
ノアは、木箱の鍵穴を示しながら、眉を垂らし困った顔をした。
メドゥーサは、その鍵穴をじっと見つめた。


…鍵がない木箱…。なぜ先代はそれを形見に…?
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