天☆地戦争
 ――カチッ――


小さな振動がメドゥーサの手に伝わってきた。
「あ…いちまった…。」
メドゥーサの口角がかすかにあがったが、目は笑っていない。

木箱を拾い上げるとノアの鼻先に突き出した。
「ほら、開けろよ。」
ノアは胸元に手をあて、後退りした。
「ちょっと…ここまできてアタシにやらせる気!?
ビビッてなぃで最後までしなさいよ!!」
「ふざけんなッ!!ビビッてんのはオマエだろ?」
メドゥーサは軽くため息をもらすと、静かに歩みよった。
「そうじゃなくて…コレはオマエのだろ?オレがやるのは鍵を開けるまでで…箱を開けるのはオマエ。」
メドゥーサはノアの手を取ると、木箱をそっと握らせた。
「そう先代達が役割づけたんだよ。…なんでかは知らねぇケド…。」
ノアが木箱に目線を落とす。
メドゥーサの手が、ノアの手を包むようにそっと添えてあった。
「『運命の鍵は、お前の手の中にある』…。」
静かにメドゥーサの手が離れると、ノアはゆっくりと木箱を開いた…。
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