天☆地戦争
…それからというもの、アダムは毎日メドゥーサに逢いに行きました。毎日話をし、水遊びをし、動物と戯れ…。
一日のほとんどを、メドゥーサと一緒に過ごしていました。」

ディヴァイアの話に、2人は食い入るように聞いていた。
その様子をみて、ディヴァイアは少し眉をあげた。


まるで子供だな…


少し息をもらすと、再び口を開いた。
「だが、当然その様子をよしと思わない人物がいました。それがイヴです。


―――真っ白いバロック式の建物が、木々に囲まれて涼しい木陰にすっぽり入っていた。
アダムはそこにある真っ白い椅子のうえに寝転がっていた。

『遅いなぁ…。』

真っ白い天井をじっと見つめていると、いきなり、赤毛で猫目の女性の顔が視界に飛び込んできた。

アダムはビックリして、目を見開いた。

『イ…ヴ!?』
イヴは、ふわりとした長いパーマの赤毛をなびかせ、体を起こした。
『こんなトコで何してるの?アダム。』
アダムも重い体をゆっくりと起こし、頭を掻いた。
『てめぇこそ…。今日は野苺狩りに行くンじゃなかったのか?』
『うん!そうよ。だからこの近くで皆でつんでるの。
アダムは?』
イヴが、アダムの顔を覗き込む。
『オレは…人と待ち合わせ。』
イヴの眉があがり、目をまるくした。
『人!!アタシ達以外に人間っていたの!?』
驚くイヴを余所に、アダムは大欠伸をした。
『あれ?言ってなかったけ?まぁ、いいや。今から来るから紹介してやるよ。
…ほれ。』
そう言って、アダムは丁度イヴの背後を指差した。
イヴは、差された方向に振り向いた。
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