君色
1人で席に着いて、俯いていると……。




「ねぇ、何ちゃん?」



可愛らしい声。





あたしは恐る恐る顔を上げた。




あたしの目の前には、あたしより小さな女の子が、肩にかかるくらいのさらっとした黒髪がよく似合っていて、くりっとした丸い瞳をぱちぱちとさせて、こちらを見ていた。




「ごめんね?驚かせちゃって。」




その子は照れくさそうに笑っていた。





可愛い……。




「あたしは……伊藤千華。」





「伊藤千華ちゃん♪良かったら千華ちゃんて呼んでいいかなぁ?」



「ぇ、うん♪もちろん♪」





「あたしは、相本郁里♪ユリって呼んでいいからね♪」




「分かったぁ〜ありがとう」




「それじゃ、改めまして千華ちゃん。良かったらあたしとお友達になってください♪」




ユリは恥ずかしそうに、下を向きながら言った。




待ちわびてた出来事。



マンガのようなワンシーン。





もちろん応えは……。




「喜んで♪」





ユリて出会えて、あたしは本当によかったと……心の底から思ってるよ?





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