君色
ユリとは、すぐに仲良くなった。



彼女の明るい笑顔に、あたしの心はときめいた。




話も弾んでいて、時間が経つのを忘れていた。





キーンコーンカーンコーン




「チャイム鳴ったねぇ」




「うん、だねぇ」




教室内には、ほとんどの生徒が集まっていた。




でも、ただ気になることが……。




それは、あたしの隣の席が空席なこと。




ユリも気がついていたのか……。




「千華の隣の人、まだ来ないのかな?」




「うん。まさか、入学式早々休みとか?」




「どうだろう?休みってことはないだろうけど……男子かな?女子かな?」




座席表に書いてある名前欄を見てみたところ、あたしの隣は男子みたい。





河村達哉。




彼との出会いが、あたしを変えていくなんて……この時はまだちっぽけも思ってなかったんだ。




ただ、隣の席の河村達哉はどんな人なんだろう?




頭の中はそれでいっぱいだった。




あたしは、異性と関わるのをあの日をきっかけで避けていた。





高校生になれば、少しは変わるかな?なんて考えもちょっぴりあったから……。






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