君色
英里は幼稚園からの幼なじみで、オレより一つ学年が上。




そして、何よりも心を許せる唯一の女友達でもある。




「たっちゃん、合格おめでとう」





「おぅ♪」






英里の長い髪が爽やかな風に揺れて、なびいている。





英里はその髪を両手で掻き分けながら、鬱陶しそうに顔をしかめていた。





「たっちゃんて髪の長い女の子が好きなんだっけ?」






「え、いや……まぁ。タイプはそうだけど」



「そっか♪」





突然英里に聞かれて、オレは言葉を詰まらせてしまった。





別に女にタイプなんかない……。
オレは女という生き物が嫌いなわけだから。




英里は別だけどな?






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