君色
そうだった……。



今日からあたしは高校生なんだっけ???




「ほらぁ、さっさと支度しなさい?」



「はぁい……」



いけないいけない。
こんな大事な日を忘れてたなんて……。



お母さんが部屋から出ていったのを確認すると、あたしはクローゼットから制服を取り出した。




今日から、憧れの南生かぁ〜。




ブレザーに少し短めのチェックのスカートが可愛い。



「髪は二つ結びで……っと」



お気に入りのピンクの水玉のシュシュで、長い髪を二つにゆるく結んだ。



とりあえず、等身大に自分の姿を映してみる。



「まぁ、いい感じかな♪」



準備を終えて、一階に降りる。



ダイニングルームからはいい匂いが漂っている。



「ようやく降りてきたわね?って、何っその格好は!!入学式くらいちゃんとした格好で行きなさいよっ」




「だって、スカートの長さ……これくらいのが可愛いし」



「あぁもう、遅れるからさっさと食べなさいっ。入学式早々、遅刻なんてやぁよ?」



お母さんはブツブツ言いながら、化粧やらなんやかんや始めた。




高校生活……楽しみだな♪
南高校は男女共学の公立高校。



異性とはあまり関わりを持ちたくないんだけど……ね。



とりあえずは友達……出来たらいいな♪




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