キャラメル・sweet
学校の近くまで行くと向こう側から、人が歩いてくるのが見えた。
誰だろう……?
視力が0.1もない私にはまだ見えない。
誰だろう……。
気付いたときは、もうすぐ側だった。
ドキッ……
成瀬だ。
へぇ。毎朝この時間なんだ。
1人で来てるんだ…。
あ、おはようって声掛けようかな?
でも、無視されたらどうしよう…。
勇気を出して、声を掛けた。
『おっ、おはよっ』
成瀬は少し驚いた顔をしてから
「おはよう」
と笑ってくれた。
下駄箱に着くと、自然にバラバラになった。
少し悲しい気持ちになった。
どうせ、行く教室一緒なんだから、一緒に行ってくれてもいいじゃん。
とか、思ったけど、まあ確かに2人一緒に行ったら怪しまれちゃうもんね。
と、前向きに考えた。