キャラメル・sweet


教室に入ると、すぐにチャイムが鳴った。


あやに口パクで
「お・そ・い」
と言われてしまった。


朝学活が終わると、あやがすぐさまやってきた。


『何々、急いで。あたし、別に何処も行かないし。』


「ねえねっ!朝、一緒に登校したってほんと!?」



『あたし?』


コクコクと頷くあや。



『ひとりだけど?』



「え〜、なあんだ。
つまんないの〜。」



『え?何?』


身を乗り出してあやに聞く私。


私を押さえて、私から遠ざかるあや。


「なんか、成瀬と一緒に来たって聞いたからさっ!」


『え?なんで!?
方向も逆なんですけど!』



つまんないの〜。
と文句を言うあや。



『も〜滅相もないよ。(笑)
あ〜、顔熱〜い〜』



朝、逢って下駄箱で別れるまでのほんの少しを誰かに見られてたのかな?



恥ずかしい噂だけど
この時少し嬉しい気持ちになった。


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