spring snow
女の子は創志をもう一度見る。
女の子は済まなそうに右手の親指と人差し指で塩を摘むように近づけて右手の甲を上に向けるように横にする。
そして両手で拝むように、手を合わせて建物の中へ入って行った。
「あ…、ちょっと…!」
創志は慌てて女の子を止める。
でも女の子は気づかないで入って行った…。
「なんなんだ…?あの子…。
何も答えない…。」
創志は呆然と女の子の入って行った建物を見る。
(この建物気になるけど、帰るかな…。
それに、あの子なんで喋らなかったんだ…?)
創志は心残りを残したまま帰ろうと来た道を戻りかける。
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