spring snow
「…なぁ。」
「はい?」
話かけてきた創志に、圭はカップにお湯で温めながら顔を上げる。
「あの子、さっきなにを言ってたんだ?」
「先程と仰いますと?」
「あんたが飲み物いるか聞いてくる前に、あの子何か言ってたろ?」
淡雪に指差す創志から、圭は淡雪へと目を移してカップへと視線を落とす。
「はい。創志様にお飲み物を出すように命じられました。」
「命じたって、あの子いったい何者なんだよ?
まだ高校生くらいだろ?」
カウンターの横で花瓶に入った花を整える淡雪を見ながら、創志は聞く。
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