spring snow
「はい。私がお仕えさせて頂いております淡雪お嬢様でございます。」
圭は左胸に右手を当て、ニッコリ微笑みながら答える。
「だから、そうじゃなくて、どこのお嬢様だってことだよ!」
「ああ…、そちらでございますか?
創志様は水岸の製薬会社をご存知でございませんか?」
「製薬会社?」
「はい。聞いたことはございませんか?
水岸の名を?」
「聞くもなにも、水岸は有名だろ?」
「はい。お嬢様は水岸の社長令嬢でございます。」
「は…!?」
左手で顎をついていた創志は驚いて圭を見る。
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