spring snow
(…?)
圭が休憩室へ行ったのを見て、淡雪が不思議そうな顔をする。
「……なぁ…。」
創志は小さな声で話しかける。
だが淡雪は振り返らない。
(そっか…。聞こえないんじゃ普通に話しかけても分からないよな?)
創志はしばらく考えて右手を伸ばして淡雪の左腕を軽く叩いた。
(…?)
腕を叩かれた淡雪は創志が呼んでるのに気が付いて創志の方に振り返る。
「あのな聞きたいんだけど、口の動き解るか?」
創志の言葉が分からず、淡雪は人差し指を立てる。
「もう一回?口…、口の動きで解るか?」
創志は自分の口を指差す。
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