spring snow
手帳に書かれたように創志はゆっくりと口を動かせて見る。
それを見た淡雪はニッコリ笑って首を縦に振る。
「ゆっくりか…。」
創志は少し考えたところで、ポケットに入れた携帯電話が鳴り始めた。
「ちょっと悪い。」
創志は右手を立てて電話に出る。
「もしもし聖治さん?今から仕事?
解った行くよ。」
マネージャーからの電話を切って、創志は立ち上がる。
「悪い。仕事入ったから帰るな。いくらだ?」
「今回はよろしいですよ。」
「そうはいかないだろ?
ここは喫茶店だろ?」
「いえ、お嬢様からのほんのお気持ちだそうです。
仕事頑張ってくださいと仰っておいでです。」
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