spring snow
創志は車に乗り込んで扉を閉める。

「…しかし、なんの本を買ってきたんだ?
そんなに大事そうにかかえて…?」
「そんなに大したもんは買ってないよ?」
創志は膝の上に買ってきた本を置く。
『お嬢様は頑張ってと仰っております。』
創志の脳裏には圭の言葉と淡雪の笑顔が浮かんでいた。
(あの娘と少しでも話せたら…。)
創志は窓の外を眺めていた…。
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