spring snow
淡雪の手を優しく包むように、淡雪の隣に立つ圭はさり気なくサラリーマンの手から外す。
「ん?なんだ兄ちゃん。なんか文句あるのか?」
サラリーマンは面白くなさそうに顔をしかめて圭を睨む。
「いいえ。私がお客様に文句などございませんよ。」
圭はサラリーマンに向かってニッコリ笑う。
「その笑顔が胡散臭いんだよっ!
じゃあなんだ?兄ちゃんこの子のこれかい?」
顔に青筋をたてたサラリーマンが圭に向かって小指を立てる。
「滅相もございません。お嬢様は私の主。
大それたことでございます。」
「おい、おっさん!」
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