Kissシリーズ・「天然のキス」
「何でぇ!」

春。アイツはウチの男子制服を着て、ニコニコとウチの玄関先に立っていた。

「えっ、だって合格したし?」

しかも首席合格だって言うし!

私はがっくり項垂れながらも、アイツと学校へ行くことにした。

「嬉しいなぁ。またキミと一緒に学校に通えるなんて」

「…中学時代も一緒だったじゃない」

「うん。でも一年ぶりだから、余計にかな」

そう言って一年前と同じく手を繋いでくる。

「ちょっちょっと!」

「良いでしょ? そういう約束だもん」
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