交霊術
何分経っても十円玉は少しも動かなかった。
やがて、周囲の空気も変わってきた。
「…何かムリそうだから、私、抜けるね」
そう言って私は十円玉から手を離した。
クラスメイト達がため息をつく。
「な~んだ」
「マカが相手なら、大物、来ると思っていたのに」
「ねぇ。実際変なこと、起きたこともあるのに」
…ああ、と納得する。
最近、教室の中でラップ音がするわ、よく誰かが転んだり、物が勝手に落ちたり、おかしなことが続くとは思っていた。
…どうやら向かいに座る女の子は、下級なモノを呼び寄せる力があるらしい。
同属ではないにしろ、そういう力を持ったコはいないこともない。
私は立ち上がり、自分の席に戻った。
女の子はクラスメイト達に囲まれながら、青白い顔で苦笑している。
どうも呼び寄せることにわずかな自信を持っていたみたいだが、何分、相手が悪い。
私では、な。
やがて、周囲の空気も変わってきた。
「…何かムリそうだから、私、抜けるね」
そう言って私は十円玉から手を離した。
クラスメイト達がため息をつく。
「な~んだ」
「マカが相手なら、大物、来ると思っていたのに」
「ねぇ。実際変なこと、起きたこともあるのに」
…ああ、と納得する。
最近、教室の中でラップ音がするわ、よく誰かが転んだり、物が勝手に落ちたり、おかしなことが続くとは思っていた。
…どうやら向かいに座る女の子は、下級なモノを呼び寄せる力があるらしい。
同属ではないにしろ、そういう力を持ったコはいないこともない。
私は立ち上がり、自分の席に戻った。
女の子はクラスメイト達に囲まれながら、青白い顔で苦笑している。
どうも呼び寄せることにわずかな自信を持っていたみたいだが、何分、相手が悪い。
私では、な。